抄録
沖縄県の島嶼地域である久高島の高齢者42名(男性13名,女性29名)を対象に,ストレスと心身の健康状態との関連を明らかにすることを目的に,生体内ストレス指標の1つである唾液中free-MHPGと老研式活動能力指標,PGCモラールスケールおよびWHO/QOL26との関連をみた.その結果,老研式活動能力指標およびPGCモラールスケールとの関連では,有意な関連は認めなかった.唾液中free-MHPGとの関連では,WHO/QOL26の下位項目である"心理領域","社会領域"および"環境領域"において有意な負の相関がみられた.本結果から,日常生活における肯定的感情や精神的充足感が低い高齢者ほど,また人間関係や友人関係などのソーシャルサポートおよび環境に対する受容・適応状況が不良な高齢者ほど唾液中free-MHPGを指標としたストレス度は高く,高齢者のストレス関連要因としてQOL(quality of life)が大きく影響することが示唆された.