心身医学
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シンポジウム/線維筋痛症の心身相関と全人的理解
線維筋痛症患者が求める全人的医療とは
—こじれた痛みと悩み—
橋本 裕子
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2016 年 56 巻 5 号 p. 433-438

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抄録

こじれた痛みには原因がそれなりにある. 現状では患者の訴えは理解しがたいと受け止められており, 医療者にとっては負担になる場合がある. 理解されることを切実に望んでいるが上手に表現できず, 「過剰な説明」に追われ, 空回りしながら説明に疲れ果てる患者. 一方で静かな患者がいる. 社会生活の中で「常態化」, 「pacing」, 「持ちこたえ」, 「身体の作り変え」を行って, 痛みとの折り合いをつけ, さらには「知覚・認識の作り変え」まで行われているのではないかと筆者は考える. しかしそのことで疾患をよりわかりにくくし, 治療者にもみえなくする. 「沈黙の患者」となってしまうのだ. どの患者も痛みのバックグラウンドを理解され, 一つひとつ改善して, 快方に向かっていることを実感できれば, 希望をもてると思う. そんな試みが始まっていることは患者にとって心強い. こじれた痛みと悩みを患者の相談事例の中から紹介し, どのようにひもとけばよいのか, 一緒に考えていただければと思う.

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© 2016 一般社団法人 日本心身医学会
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