2017 年 57 巻 12 号 p. 1221-1228
日頃筆者は, 森田療法を基軸に, リフレーミングなどさまざまな技法を組み合わせて心理面のケアを行っている. あるがままの生き方を目指した森田の理論は, 心理療法というより生き方の道しるべと理解しており, 不安や葛藤を抱え, 悩みながらもがんばっている患者に有用と考えている. 治療者の指導に真面目に取り組んでもらうためには, 患者の心情に十分寄り添う必要がある. 共感力, 反映, 肯定的側面に着目していくことなどが大切であり, また治療者自身もあるがままの生き方を目指す姿勢をもって治療を行っていくことが大事であると考えている.