2017 年 57 巻 2 号 p. 138-143
呼吸困難は主観的な症状であり, がん患者において非常に頻度の高い症状である. 評価の際には呼吸困難を引き起こしている原因をしっかり特定することが重要であり, 症状の程度についてはNumerical Rating Scaleなどの患者の主観的な評価尺度を用いて評価を行う. 治療については可能であればがんに対する放射線治療や抗がん剤治療など, 原因に対する治療を行う. 対症療法としては酸素療法, 薬物療法などがあるが, 薬物療法の中ではモルヒネが第一選択薬である. 呼吸困難に関連する病態として悪性胸水, 死前喘鳴についても述べる.