心身医学
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ワークショップ特集/ストレスに対する心身医学と心理学の新展開
公認心理師と今後の課題
松野 俊夫
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2017 年 57 巻 9 号 p. 939-943

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抄録

心理職の国家資格化に対する具体的な動きは, 近年では1990年に厚生省 (当時) による臨床心理技術者業務資格制度検討会として開始された. 検討会は厚生科学研究事業と名称を変えながら2001年度まで継続され, その後約15年の関係者による努力の結果が 「公認心理師法」 として2015年9月に実現した. 2016年9月には大学および大学院での養成カリキュラム, 試験科目, 現在心理職として業務を行っている者への特例措置, など法律の内容を具体化するための検討会が始まり, 2017年5月31日に 「公認心理師カリキュラム等検討会報告書」 として公表され, 公認心理師法の具体的な内容が明らかになった. 特に医療の領域ではこれまで医師の指導・指示の下であっても, 無資格で心理療法・心理検査などのさまざまな心理臨床活動を行ってきた状況が, 「公認心理師」 法の施行により心理職の職能と責務が明確となり, チーム医療の一員として真に職責を担う環境が整ったと考えられる.

今後心身医療の中で公認心理師が関わることが期待されている勤労者のストレス予防に対する取り組みについて, 公認心理師法成立の経過をたどりながら課題を整理した.

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© 2017 一般社団法人 日本心身医学会
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