2018 年 58 巻 3 号 p. 243-247
行動医学は, 健康と疾病に関する心理・社会学的, 行動科学的および医学生物学的研究を進め, これらの知見を統合のうえ, 疾病の予防, 病因の解明, 診断, 治療およびリハビリテーションに適用することを目的とする学際的医学といわれている. その代表的な介入方法である行動変容技法は, 複雑ないくつもの要素から構成され, 同一の行動変容テクニックが異なるラベルで報告されている. そのため, 行動医学的介入の再現性や臨床現場での適用性, システマティックレビューを通じた知見の統合が困難になっている. 本稿では, 行動変容技法をはじめ, 行動医学が社会の健康増進にどう活かせるか考えることを目的とした.