心身医学
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教育企画
心身医学における心拍変動
神原 憲治
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2021 年 61 巻 2 号 p. 126-132

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抄録

さまざまな生体システムのゆらぎの中で, 心拍のゆらぎは評価法が確立しており, 心拍変動と呼ばれている. 心拍変動は心臓迷走神経など自律神経機能を中心とした生理機能を反映する指標として, 医学, 心理学, 看護学, ストレス研究などの分野で広く用いられてきた.

心拍変動の評価法として, 一般には時間領域解析, 周波数領域解析, 非線形解析などがある. それぞれに長所と短所があり, 目的や測定データの状態によって使い分ける必要がある. 従来, 周波数解析がよく用いられてきたが, 周期的変動成分以外は除外されるなど限界もあり, 過信は避けたい.

心拍変動はストレス状態で変化し, 疾患などの病的状態では健常人と異なった傾向がみられる. 心身医学に関連する機能性疾患についても一定の特徴が見い出され, メタアナリシスも報告されている. 心拍の測定においては各種の携帯型デバイスが開発され, 心拍変動解析においても大規模データの解析技術が日々進歩しており, 心身医学分野でも今後の発展性が期待される.

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© 2021 一般社団法人 日本心身医学会
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