心身医学
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身体症状症および関連症群における臨床症状の改善予測因子
橋本 和明竹内 武昭小山 明子武田 典子端詰 勝敬
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論文ID: 2023003

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抄録

身体症状症および関連症群(SSRDs)は難治性で臨床的な転帰の予測も難しい.本研究では50名のSSRDs患者の臨床症状を縦断的に追跡し,病状改善の予測因子について検討した.身体症状をThe Somatic Symptom Scale-8(SSS-8)で評価し,2021年度から2022年度にかけてスコアの改善有無で対象者を2群に分類し,エントリー時に評価した抑うつ気分や不安,破局的思考,年齢や性別などの背景要因について群間比較すると,症状改善群は飲酒者が少ない傾向があり,ベンゾジアゼピン系抗不安薬の使用者が有意に少なかった.SSS-8の改善有無を目的変数としたロジスティック回帰分析の結果,ベンゾジアゼピン系抗不安薬の使用が負の関連因子として抽出された.SSS-8の重症度の改善有無についても同様の解析を実施したが,同様の結果であった.本研究からベンゾジアゼピン系抗不安薬が使用されたSSRDsでは,1年後の病状に改善を認めにくい可能性が考えられた.

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