日本小児腎臓病学会雑誌
Online ISSN : 1881-3933
Print ISSN : 0915-2245
ISSN-L : 0915-2245
原著
多発嚢胞腎と心筋肥厚を伴い, 妹でグルタル酸尿症II型と判明した新生児姉妹例
高田 彰石川 健松本 敦斉藤 雅彦相馬 洋紀千田 勝一四本 由郁遠藤 充長谷川 有紀山口 清次
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 20 巻 2 号 p. 136-140

詳細
抄録

 多発嚢胞腎をきたす疾患は多いが,有機酸代謝異常症に伴う症例もあることはあまり知られていない。症例は新生児の姉妹で,各妊娠中の胎児超音波検査から腫大した高輝度の腎と,心筋肥厚に気づかれた。両児とも羊水過少のため正期産で帝王切開により出生し,代謝性アシドーシスをきたした。姉は家族歴,臨床所見,腎組織像から常染色体劣性多発嚢胞腎疾患が疑われたが,妹は尿の有機酸分析によってグルタル酸尿症II型と判明し,姉も本疾患であったと推察された。グルタル酸尿症II型は多発嚢胞腎や心筋への脂肪沈着を合併するが,多発嚢胞腎を鑑別する腎外症候に心病変の記載はない。胎児で高輝度を示す腎腫大と,心筋肥厚が発見された場合はグルタル酸尿症II型を疑い,羊水や尿の有機酸分析を行う必要があると考えられた。

著者関連情報
© 2007 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top