日本小児腎臓病学会雑誌
Online ISSN : 1881-3933
Print ISSN : 0915-2245
原著
常染色体劣性多発性嚢胞腎の臨床像
—単一施設における小児10症例の検討—
水谷 誠近本 裕子上田 博章谷口 貴実子梶保 祐子古山 政幸石塚 喜世伸末廣 真美子藤井 寛久野 正貴秋岡 祐子世川 修渕之上 昌平寺岡 慧服部 元史
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23 巻 (2010) 2 号 p. 123-127

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抄録

 常染色体劣性多発性嚢胞腎 (Autosomal recessive polycystic kidney disease; ARPKD) における腎および肝病変の表現型と進行度は多様である。当院のARPKD 10例について,腎障害と肝合併症の臨床像を検討したので報告する。
 対象例は検討時1.7~23.0歳 (中央値9.9歳) で,全例が1歳までに診断された。生下時に腹部膨隆,呼吸障害,低ナトリウム血症をそれぞれ,80.0%,50.0%,55.6%に認めた。検討できた8例の肝線維症および肝内胆管拡張症は,それぞれ100%,75.0%であったが,胆道感染症の合併はなかった。6例で0~21歳 (中央値7.6歳) 時に腎代替療法を要し,うち5例は腎移植を施行した。腎移植全例で移植時に片腎は摘出し,2例で汎血球減少改善目的に移植前の脾臓摘出を要した。ARPKDの治療では,腎機能障害の進行度,および肝合併症の病態に応じた治療計画を立てる必要性が示された。

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© 2010 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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