2013 年 26 巻 1 号 p. 122-125
症例は14歳男児。学校検尿で血尿蛋白尿を指摘され,精査で補体第4成分(C4)値の持続的低下を認めた。家族歴に特記事項はなく,身体所見も異常を認めなかった。C4値以外の血液検査所見,画像検査は異常を認めなかった。腎生検所見で多彩な病変を認め,ループス腎炎様の所見であった。ステロイドの投与により尿所見は改善し,外来経過観察中である。C4の低下は一般人口においてもみられるが,C4の完全欠損は全身性エリテマトーデスと密接な関係にあるといわれている。現時点では国内においてC4遺伝子検査が行えないため,今後も注意深い経過観察が必要である。