日本小児腎臓病学会雑誌
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総説
誰でもわかるGFR
上村 治
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2014 年 27 巻 2 号 p. 76-80

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抄録

1.腎機能が正常な人は,原尿量は体表面積×100 ℓ/日程度,尿量は体表面積ℓ/日程度が目安となる。2.クレアチニン(Cr)排泄は,約70%が糸球体濾過,約30%が尿細管分泌によって起こる。同時に測定したクレアチニンクリアランス(Ccr)はイヌリンクリアランス(Cin)の1.4 倍程度になる。3.Cr 測定がJaffe 法であった時代にCin とCcr が近かった理由は,血清Cr は酵素法のそれよりかなり高値であったが,尿Cr はあまり違わなかったからである。4.急性腎不全時に腎機能マーカーが腎機能に見合った値に安定するのにかかる日数は,その物質の分布容積で決まる。5.日本人小児の3 つの推算GFR を作成,簡易にGFRが判定できる。日本人小児のGFR 基準値も作成した。6.同じ腎機能を持った低年齢児と高年齢児の尿Cr 濃度が大きく異なるのは尿濃縮力の違いではなく血清Cr 濃度の違いによる。

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© 2014 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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