2025 年 38 巻 論文ID: oa.24-028
【背景および目的】当科では小児腎移植術後から内服が可能になるまで血中濃度10 ng/mLを目標にタクロリムスの持続静注を行っている.術後の血中濃度を安定させるため,持続静注量の推算式作成を試みた.【方法】2016年1月–2023年8月に当院で腎移植を行った20歳未満の症例のうちタクロリムス持続静注を行い,血中濃度を測定した症例を対象とし後方視的検討をした.36例が該当し,血中濃度10 ng/mLを目標とする持続静注量を目的変数として多変量解析を行った.【結果】タクロリムス持続静注量は中央値0.48 mg/日(四分位範囲0.35–0.64),血中濃度は33例が手術翌日に測定しており12.5 ng/mL(10.8–15.0)であった.血中濃度10 ng/mLを目標とする持続静注量(mg/日)=1.358×体表面積(m2)−0.04809×年齢(yrs.)−0.27774であり,決定係数は0.38であった.【結論】小児腎移植術後にFK持続静注を行う場合,血中濃度10 ng/mLを目標とする持続静注量(mg/日)=1.358×体表面積(m2)−0.04809×年齢(yrs.)−0.27774である.