日本小児腎臓病学会雑誌
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重複腎動脈を伴う本態性高血圧を合併したOHVIRA 症候群の1 例
山田 祐子河場 康郎横山 浩己北本 晃一岡田 晋一神﨑 晋
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論文ID: cr.2019.0154

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抄録

Obstructed hemivagina and ipsilateral renal anomaly (OHVIRA)症候群は重複子宮,片側膣閉鎖および膣閉鎖と同側の腎欠損を合併する症候群である.一方,重複腎動脈は片側の腎に複数の腎動脈が存在し,本態性高血圧で合併頻度が高いとされている.症例は11 歳6 か月の女児.8 歳時に検尿異常の精査で左腎欠損と子宮低形成を指摘された.9 歳8 か月時に頭痛が出現し,血圧 154/82 mmHg で入院精査加療された.4 か月間で降圧治療終了されたが,1 年後に再び血圧上昇を来した.腹部MRI では左腎欠損に加え,重複子宮と左膣閉鎖が認められ,OHVIRA 症候群と診断した.また,右腎動脈を 2 本認め,右重複腎動脈と考えられた.女性の片側腎欠損では高率に子宮膣の形態異常を合併するため,精査が必要である.また,本症例では単腎症と重複腎動脈を合併したため高血圧を生じた可能性が示唆された.

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© 2019 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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