日本小児呼吸器疾患学会雑誌
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小児気管支喘息における血漿エンドセリン-1値について
アラキドン酸代謝産物との関係とともに
山口 乙丸張 家昆向後 俊昭
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5 巻 (1994) 1 号 p. 6-14

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抄録

41名の健常小児を対照群として, 気管支喘息児81例(103検体)を非発作群, 小発作群, 中発作群に分類し, 各群の血漿ET-1を測定, 各群間における血漿ET-1値の比較検討を行った。また各発作群においてアラキドン酸代謝産物(PGF2α, 6-keto-PGF1α, TXB2)を測定したものについても同様の比較検討を行い, 各発作群でのET4との相関の有無についても検討した。大発作群については治療薬剤の影響を考え, 対象から除外した。
血漿ET-1値は対照群, 非発作群では低値を示し, 小発作群, 中発作群の順に高値を示す傾向が見られたが, 個々の症例でみると発作症例の中には健常小児ET4値を下まわる症例も認められた。健常小児群と喘息児非発作群との間にET-1値の有意差は認められなかった。検査採血前旬日以内に喘息発作及び発熱を認めた症例では採血時に発作がなくてもET-1値は高値を示したものもあった。
アラキドン酸代謝産物であるPGF2α, 6-keto-PGF1α, TXB2についても気管支喘息非発作群, 小発作群, 中発作群の検討を行った。6-keto-PGF1α では非発作群と発作群の間に有意差が認められた。PGF2α, TXB2では非発作群と発作群の間に有意差は認められなかった。
この研究で, ET-1とアラキドン酸代謝産物の相関は, ET-1とPGF2α, 6-keto-PGF1α, TXB2の間に非発作群, 発作群とも相関を認めなかった。
ET-1が小児気管支喘息発作時に高値を示すことを明らかにすることができた。しかし気管支喘息発作時におけるET-1とアラキドン酸代謝産物の関連性については, この臨床的な研究からは明らかにしえなかった。

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