生理心理学と精神生理学
Online ISSN : 2185-551X
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原著
Subitizing requires more attentional resources in older adults
Keita KAMIJOYuji TAKEDA
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2009 年 27 巻 3 号 p. 199-206

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抄録

事象関連電位を用いて,subitizingに与える加齢の影響を検討した。40人の若齢者と35人の高齢者が (1~4個のsubitizingの範囲で) 計数課題を行った。標的数の増加に伴う反応時間の延長 (反応時間スロープ) が高齢者においてより大きかったことから,subitizingが加齢の影響を受けることが示された。N1振幅が年齢とは関係なく標的数の増加とともに増大したことから,加齢に伴うsubitizing速度の遅延は初期知覚レベルの処理過程には関連していないことが示唆された。一方,若齢者においては標的数の違いによってN2振幅は変化しなかったのに対し,高齢者においては標的数の増加に伴ってその振幅は低下した。これらの結果から,高齢者はsubitizingの範囲においても計数のために注意過程を必要とするが,若齢者は前注意的情報を使って計数をおこなっていることが示唆された。

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© 2009 Japanese Society for Physiological Psychology and Psychophysiology
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