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生理心理学と精神生理学
Vol. 29 (2011) No. 1 P 21-32

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http://doi.org/10.5674/jjppp.1104si

特集

とりわけ日本では,“○”(マル)と“×”(バツ)はそれぞれ“良い”・“悪い”ことを示す記号として受け入れられている。これらの記号と意味の結びつきは,日本人が日常生活で過剰に経験してきたものである。本研究では,これらの結びつきに関わる神経プロセスが特異的なものかどうかについて着目した。この問題を検討するために,結果の“良い”・“悪い”について感度を持つ事象関連脳電位 (ERP) 成分であるフィードバック関連陰性電位 (FRN) に注目し,2 種類のギャンブル課題を行った。記号課題では,“○”と“×”をそれぞれ,利得/損失(整合条件)および損失/利得(非整合条件)に対応させた。図形課題では,意味的に関連のないひし形と六角形を用いて,それぞれ利得/損失(ひし形利得条件),および損失/利得(六角形利得条件)を設けた。その結果,どの課題・条件でも利得と比較して,損失の結果に対してFRN が出現した。さらに,整合条件のFRN は他の条件と比較して振幅が低下した。これらの結果は,経験によって獲得した知識としての記号と事象の結びつきが,結果の評価過程に影響を及ぼすことを示唆している。

Copyright © 2011 日本生理心理学会

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