生理心理学と精神生理学
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コンピュータ・ゲーム時の競争環境の違いが自律系生理反応にもたらす効果
伏田 幸平長野 祐一郎
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33 巻 (2015) 3 号 p. 181-191

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抄録

競争は心臓血管反応を増大させることが知られている。これまで,競争相手の性質,勝敗の結果,精神活動などの効果が検討されてきた。しかし,競争環境の効果が生理活動に与える影響に関しては,まだよく知られていない。本研究では競争型コンピュータ・ゲームを用い,競争環境が生理反応に与える影響を検討した。20名の大学生が,対面競争 (FF) 条件とネットワーク (NW) 競争条件の両競争条件に参加した。各条件は,4分の安静,3分の課題,3分の回復期間で構成されていた。心拍数 (HR)・指尖容積脈波 (PV)・皮膚コンダクタンス (SC) が測定された。安静期のPVは対面競争条件の方が低い値を示し,これは競争相手の非言語情報により生じた緊張感が末梢組織の血管収縮を強めた結果であると考えられた。さらに,回復期のSCは対面競争条件の方が高い値を示し,これは競争相手の非言語情報の効果を反映していると考えられた。これらの結果から,競争環境は生理活動を左右する重要な要因の1つであると言える。

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© 2015 日本生理心理学会
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