生理心理学と精神生理学
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テクニカルノート
爪に含まれるコルチゾールの定量手法の検討――粉砕粒度と抽出時間の検討――
井澤 修平吉田 怜楠大平 雅子山口 歩野村 収作
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2016 年 34 巻 3 号 p. 245-249

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抄録

爪に含まれるコルチゾールは過去の比較的長期的なホルモンの動態を反映すると考えられているが,その標準的な定量方法についてはまだ確立されたものがない。本研究では爪試料の粉砕粒度や抽出時間が爪試料から抽出されるコルチゾール量に与える影響を検討した。健常な男性14名から手の爪を採取した。爪試料を1, 4, 16分間粉砕し,粉砕粒度の条件(粗い,中程度,細かい)を設定した。また,粉砕した検体はメタノールにより抽出処理を行うが,本研究では抽出時間を1, 6, 24, 48時間の4条件に設定した。上澄み液にろ過処理を施し,蒸発乾固させた後に,最終的にコルチゾールの抽出量を酵素免疫測定により評価した。粉砕粒度と抽出時間を要因とした分散分析を行った結果,粉砕粒度が細かいほど,また抽出時間が長いほど,コルチゾールの抽出量が多いことが示された。また,粉砕粒度と抽出時間の交互作用が有意であり,爪試料が中程度以上に粉砕されていて,かつ抽出時間が48時間の条件では,粉砕粒度の影響は小さいことも示された。本研究では粉砕粒度や抽出時間が爪からのコルチゾールの抽出量に影響を与えることを明確に示した。爪からコルチゾールを測定する際はこれらの要因にも留意する必要性が示された。

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© 2016 日本生理心理学会
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