生理心理学と精神生理学
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原著
新生仔期NMDA受容体慢性遮断がラットの間隔二等分課題遂行に及ぼす影響
新倉 怜坂田 省吾
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2016 年 34 巻 3 号 p. 191-201

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抄録

新生仔期にN-methyl-D-aspartate (NMDA)受容体を慢性的に遮断された動物は,成体となった後に様々な生理学,行動学的異常を引き起こす。本研究は,新生仔期MK-801慢性投与がラットの時間知覚能力に与える影響を検討することを目的とした。すべての被験体は,弁別訓練で2秒と8秒のアンカー刺激を弁別することを学習した後,間隔二等分課題においてプローブ刺激をどちらかに分類した。新生仔期MK-801慢性投与(0.4 mg/kg twice per day)は,2秒と8秒の時間弁別に影響せず,聴覚刺激を用いた課題における計時関数を左側へシフトさせた。本研究の結果は,神経発達に重要な時期における慢性的なNMDA受容体遮断が長期持続的な時間知覚の異常を引き起こすことを示唆するものであった。したがって,新生仔期NMDA受容体慢性遮断ラットは,時間知覚に異常を示す症状を有する疾患の動物モデルとして有用かもしれない。

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© 2016 日本生理心理学会
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