生理心理学と精神生理学
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テクニカルノート
隠匿情報検査において項目提示後初期に見られる心拍数低下反応の解析法
山本 直宏
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2018 年 36 巻 3 号 p. 157-163

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抄録

隠匿情報検査では,HRは項目提示後5 s以内に一時的に低下(初期低下)してから上昇し,再び大きく低下(後期低下)することが知られているが,初期低下による裁決項目と非裁決項目の識別性は,研究間で結果が一致していない。そこで,23名分の模擬窃盗課題時の心拍数データを,セット内で標準化したデータをそのまま利用する方法と項目提示前3秒間の平均値から項目提示後の値を引いて変化量を求める方法の2通りで処理し,項目提示後3 s以内と5 s以内の平均値,3 s以内の最低値,項目提示後3 sから7 s後までの最大値,項目提示後6 sから15 s間の平均値をそれぞれ求めた。解析結果を比較した結果,変化量を用いた解析を行えば,3 s以内の最低値以外は,いずれも裁決項目と非裁決項目を識別できることが分かった。ただし,これらの解析方法相互の識別力に有意差はなかった。考察では,初期低下の利用可能性と限界について論じた。

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© 2018 日本生理心理学会
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