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生理心理学と精神生理学
論文ID: 1605ci

記事言語:

http://doi.org/10.5674/jjppp.1605ci


本研究では,これから起こるイベントが快か不快か不確実な際に起こる脳活動が,損害回避得点によって影響を受けるかどうかを検討した。機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて,感情を喚起する刺激を予期出来る条件と予期できない条件における脳機能画像を撮像した。予期ができない条件と予期ができる条件の差分をとった脳画像において,損害回避得点が有意な相関を示す脳部位を検討した。その結果,損害回避得点が高い実験参加者ほど,次に来る刺激が予期できない時に島の両側および中帯状回で賦活が高まることを確認した。これらの活動は先行研究から,不快なイベントを予期している際によく活動するとされる部位である。将来起こりうる事象を予測し,備えることは起こりうるリスクを最低限にするという適応的な機能もあるが,損害回避得点の高い者は,次に起こりうるイベントの感情価を予測できない場合,あたかもそれが不快なイベントであると仮定し,過大に反応する可能性が脳機能画像の観点から示された。

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