生理心理学と精神生理学
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朝型-夜型における活動数のサーカディアンリズム
本間 由佳子石原 金由三宅 進
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1992 年 10 巻 1 号 p. 35-43

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抄録

本研究はヒトの活動の概日リズムを朝型-夜型において比較した.朝型13名, 夜型14名の女子大学生を対象とし, ACTIGRAPHによって連続5-7日間の活動数が計測され, 同時に被験者によって睡眠表に就床・起床時刻も記録された.就床・起床時刻の判定は睡眠表と活動計から行われた.その結果, 睡眠時間を除いて就床・起床時刻に朝型-夜型で有意差が認められた.活動数においては, 総活動数, 日中の活動数, 夜間睡眠中の活動数, 起床時刻からの活動数の変動において差は認められなかった.しかしながら時刻に伴う活動数の変動において両型を比較すると, 早朝では朝型の方が, 深夜では夜型の方が活動数が有意に多かった.またコサイナ分析の結果において, 朝型の活動数の頂点位相は夜型より1時間前進していた.これらの結果から朝型-夜型の活動数の違いは就床・起床時刻の違いだけでなく, 睡眠習慣の不規則性を反映していることが示唆された.さらにこれらのデータを平日と休日に分けて再分析した結果, 休日では朝型一夜型で起床時刻のみに有意差が認められ, 平日では朝型-夜型の起床時刻, 活動数の違いに加え, それらの分散にも差が認められた.また平日と休日において夜型では起床後30分間の活動数に差は認められなかったが, 朝型では休日の活動数が平日より多かった.

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© 日本生理心理学会
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