白色雑音下の鼻部皮膚温変化パターン及びその変化と主観的状態との相関を調べた.8名の被験者は, 2分の安静期と2分の白色雑音期を交互に4試行経験し, その間の鼻部皮膚温が測定された.白色雑音は異なる音圧レベル (40, 50, 60, 90dB) から成り, すべてランダムな順序でヘッドホソを通して被験者に提示された.被験者はまた, 安静状態と刺激状態に対して自らの主観的状態 (覚醒感, いらだち, 気分) を評価した.実験結果は, 鼻部皮膚温は安静状態で徐々に増加するが, 白色雑音開始からは一時的に減少することを示していた.騒音暴露が終了した後も, その減少は30秒~1分の間続いた.温度減少は騒音の強さと相関し, 90dBで最も大きかった。また, その減少は覚醒感といらだちの増加と相関した.これらの結果は, 鼻部皮膚温が主観的状態を評価するのによいマーカーであることを示唆する.