生理心理学と精神生理学
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指尖容積脈波再訪
澤田 幸展
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1999 年 17 巻 1 号 p. 33-46

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抄録

本評論においては, 先ず冒頭で,指尖容積脈波法とかかわるいくつかの基本的事柄が再検討された.ずなわち, 指における血管の構造およびαアドレナリン作動性交感神経活動, 記録法および外乱要因, そして, 伝統的測度 (すなわち, 血液容積および血液容積脈) とかかわるデータ処理法・についてである.第2に, 通常の生理的状態における指部位に対し, ランバート・ベールの法則を適用することの妥当性が確かめられ, 新たな測度である規準化脈波容積 (NPV) が, 伝統的な測度にまさるもっ一つのものとして, この法則から導出された.第3に, 主として血液容積脈に関する従来の知見が, 受動的対能動的対処課題実施時の自律神経調節機序が異なる点を考慮に入れながら, 再評価された.将来の研究において明らかにされるべき, いくつかの未解決な事柄が, 議論される.

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© 日本生理心理学会
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