生理心理学と精神生理学
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レム睡眠中と覚醒中のプレサッカディック電位の比較
小川 景子入戸野 宏堀 忠雄
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2002 年 20 巻 3 号 p. 207-214

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抄録

レム睡眠中の急速眼球運動と覚醒中の意図的なサッケードを, 眼球運動に先行する脳電位と眼球運動速度の点から比較した.よく夢を見ると報告する大学生・大学院生16名が実験に参加した.レム睡眠中の急速眼球運動は自然終夜睡眠から記録し, 覚醒中のサッケードは自己ペース視覚探査課題で記録した.眼球運動開始点にそろえて脳電位を加算平均したところ, 覚醒中には眼球運動に先行して中心部で陰性シフト (プレサッカディック陰性電位) が認められたが, レム睡眠中には認められなかった.また, レム睡眠中の急速眼球運動は覚醒中のサッケードより眼球運動速度が遅かった.以上の結果から, レム睡眠中の眼球運動は意図的な準備活動なしに生じており, 覚醒中とは異なる神経機構に制御されている可能性が示唆される.

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