本研究は, 敵意性と心臓血管系反応性の関連について検討する事が目的であった.被験者は男子大学生20名で, 彼らは日本版Buss-Perry攻撃性質問紙 (BAQ) に記入を行った.BAQは「短気」・「敵意」・「言語的攻撃」・「身体的攻撃」の4因子からなる質問紙である.安静状態の後, 4つのブロック, 通常暗算課題 (NMA), 挑発暗算課題 (PMA), 挑発安静 (PRP), 回復期 (RP) が行われた.挑発条件では, 実験者が被験者に対して嫌がらせを行った.結果, PMAとPRPにおいて血圧・心拍・怒り気分が有意に上昇していた.敵意性要素とCVRの相関分析によって, 「短気」はPRPにおける収縮期血圧の上昇と, 「身体的攻撃」はPRPとRPにおける圧受容体反射感度の抑制と関=連していた.これらの結果は, 過去に他の文化圏でCVRと敵意性について調査した研究報告と一致するものである.この結果について敵意性と冠動脈疾患の関連性の文脈で論議がされた.