2004 年 22 巻 3 号 p. 267-274
Guilty Knowledge Test (以下GKT) ではSRRと呼吸変化は異なる反応生起機序に基づくと指摘されている.特に、SRRが実験事態においても観察されるのに対し, 呼吸停止は犯罪捜査場面におけるGKTでのみ生起するとされている.そこで, 本研究では最低1回の呼吸停止が得られた犯罪捜査におけるGKT38事例の検査記録に基づき, SRRの最大振幅と呼吸停止の出現率について質問内容および質問呈示方法の違いの作用について検討をおこなった.本研究の結果, SRRには裁決事項 (質問) の内容や視覚呈示の作用は認められず, 一方, 呼吸停止では「数」「間接事象」に比較して「場所」「直接事象」「犯人行為」の質問で生起率が増加することが認められた.また, 口頭呈示に比較して視覚呈示において生起率が増加することが認められた.