生理心理学と精神生理学
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映像に対する注意を測る-事象関連電位を用いたプローブ刺激法の応用例-
入戸野 宏
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2006 年 24 巻 1 号 p. 5-18

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抄録

二次課題に含まれるプローブ刺激に対する事象関連電位 (event-related brain potential : ERP) の後期陽性波 (P3またはP300) の振幅は, 主課題に配分される知覚-中枢処理資源の量と負の相関関係にある。この理論が生まれた経緯について述べ, ERPを用いたプローブ刺激法の簡単なレビューを行う。次に, Suzuki, Nittono, & Hori (2005,International Journalof Psychophysiology, 55, 35-43) を補足する実験を報告し, 聴覚プローブ刺激に対するP300の振幅が映像 (ビデオクリップ) への関心度に応じて変化すること, それは映像の知覚的複雑さが同等であっても生じることを示す。具体的には, 実験参加者がビデオクリップを最初に見るときの方が, 同じ映像を5回目に見るときよりも, プローブ刺激に対するP300の振幅が小さかった。また, 知覚的に逸脱した非標的プローブ刺激に対するP300の方が, 同じ低確率で呈示される標的プローブ刺激に対するP300よりも, 振幅の減衰が顕著であった。労働以外の場面におけるERPを用いたプローブ刺激法の利点について論じる。

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© 日本生理心理学会
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