生理心理学と精神生理学
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自己覚醒の企図が睡眠経過中の時間判断に及ぼす影響
池田 大樹宮地 弘一郎林 光緒藤澤 清
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2006 年 24 巻 3 号 p. 227-235

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抄録

睡眠中の時間判断が, 自己覚醒を試みた場合と自然覚醒をした場合で比較された。参加者 (n=10) が, 睡眠実験室で通常の就寝時刻に就寝した。実験夜は, 平均睡眠時間の80%眠った後, 自分自身で覚醒するか (自己覚醒), 自然に覚醒するまで眠るか (自然覚醒) のいずれかに割り当てられた。REM睡眠開始5分後, 実験者が強制的に覚醒し, 時刻 (時間判断) と, 主観的な睡眠深度・眠気・気分を聴取した。その結果, 主観的指標には条件間で有意差が認められなかったが, 時間判断には有意差が認められた。すなわち参加者は, 自然覚醒夜に比べて自己覚醒夜の方が正確に時間を判断していた。これらの結果から, 自己覚醒を企図すると, 睡眠中に正確に時間を評価することで, 正確な時刻に睡眠から覚醒できることが示唆される。

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© 日本生理心理学会
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