生理心理学と精神生理学
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ギャンブリング課題における皮膚コンダクタンス反応の性差と個人差の検討
増南 太志岡崎 慎治前川 久男
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2007 年 25 巻 3 号 p. 245-254

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抄録

本研究で用いられたギャンブリング課題は, 収益が最大となるように, 利得と損失において異なる4つのデッキからカードを選択させる課題である。ギャンブリング課題によって測られる選択行動には, 性差および個人差が報告されている。しかしながら, 個人差がギャンブリング課題の性差にどのような影響を及ぼすのかは明らかにされていない。本研究の目的は, これらの影響を調べることである。それゆえ, 我々は, ギャンブリング課題の選択行動に基づいて, 男性を2つの群に分け, 2つの男性群と女性群の皮膚コンダクタンス反応 (SCR) を計測した。3つの群の比較において, リスクのないカードを選ぶ男性群は, もう一方の男性群および女性群よりも, 罰および予期SCRが大きかった。また, リスクのないカードを選ぶ実験参加者以外の男性群は, 女性群と同じような報酬・罰・予期SCRを示した。これらの知見は, 男性群の中に, リスクのないカードを選ぶ実験参加者がいたために, ギャンブリング課題の遂行およびSCRにおいて, 性差が現われていたと考えられた。

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© 日本生理心理学会
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