生理心理学と精神生理学
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運動学習中に提示したfeedback音由来の事象関連電位
高澤 則美多喜乃 亮介山崎 勝男
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1990 年 8 巻 2 号 p. 95-101

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抄録

課題の難易度と動機づけを操作した実験デザインの下で, 引き金引き運動の強度を調整することが要請される事態での運動学習中に, feedback音に対する事象関連電位を記録した.被験者に要求した作業は, 右手人差し指を用いて, ある決められた強さで自己ペースで引き金を引くことであった.Feedback信号は3種類のピップ音で, 運動強度が, 正反応 (適切;2000Hz) か誤反応 (過小;500H乙, 過大;4000Hz) かを示すものであった.
すべての課題条件で, feedback音に対するP3成分が惹起された.また, feedback音が, 正反応を示すものか誤反応を示すものかに関係なく, P3の振幅および潜時はほとんど等しかった.頂点潜時が約210msの陰性ERP (Nd波) が, 誤反応のfeedbackに対してのみ観察され, Nd波の振幅は, 練習の進行と共に増大した.これらの結果は, 選択的注意におけるチャネル間選択およびチャネル内選択との関連において考察された.

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© 日本生理心理学会
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