2025 年 4 巻 1 号 p. 20-30
目的:自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder:ASD)児の縄跳び動作の運動学的特性を明らかにすることを目的とした。
方法:6〜9歳の定型発達(Typically Developing:TD)児(男児6名・女児2名)とASD児(男児8名)の各8名を対象とし,連続20回以上の前跳びを課題とした。三次元動作解析装置VICONを用いて計測を行い,身体中心(Center of Mass:CoM)移動距離の平均および変動係数(Coefficient of Variation:CV),動作時の各関節の角度変化量(Range of Motion:ROM=最大値−最小値)およびCVを算出した。
結果:ASD群はTD群に比べて膝関節屈伸および股関節内外転のROM,骨盤の前後傾斜CV,前後・左右方向へのCoM移動距離が有意に高値を示した。
結論:ASD児は前跳び動作において膝・股関節の角度変化量が大きく,とくに膝関節屈曲および股関節外転の最大角度が大きかった。また,骨盤傾斜の変動性が大きく姿勢動揺が生じていた。跳躍の際に着地点が偏移していることも明らかとなり,非効率な動作であることが示唆された。