2025 年 4 巻 1 号 p. 41-47
背景:MCT8異常症はX連鎖性潜性遺伝による遺伝性の希少疾患であり,成長発達の経過報告は少ない。今回,家庭事情により施設入所となった1症例に対し,GMFM-88を用いた運動機能の評価を行い,変化を捉えながら経過を追い運動機能の向上がみられたため報告する。
症例:本症例はMCT8異常症の18歳男性(介入当初12歳)。大島分類1,GMFCSレベルⅤ相当。在宅療育が困難となり施設入所。環境変化や新型コロナウイルス罹患などにより機能低下が2度みられたが,多職種での関わり,理学療法,作業療法による運動機能の再獲得,頭頸部コントロール促しなどGMFM-88の結果を踏まえて運動機能への介入を行い,介入当初と6年後を比較して項目Aの「臥位と寝返り」は56.6%が78.4%に,項目Bの「座位」は6.7%が20.0%に変化し,運動機能の向上がみられた。
結語:MCT8異常症の本症例については,環境変化や体調不良により運動機能が低下したが,多職種連携での関わりや運動の促しなどで,青年期でも運動機能に向上が観察された。