日本補綴歯科学会雑誌
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原著論文
硬質レジンを用いた3種破壊靭性試験法の比較
秋池 成律能勢 大尚廣田 吉明多和田 泰之小松 繁樹
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2008 年 52 巻 1 号 p. 49-58

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抄録

目的 : Single-edge notched beam fracture toughness test (SENB) とIndentation fracture toughness test (IF) およびNotchless triangular prism fracture toughness test (NTP) の靭性評価と試験法間の関係について検討した.
方法 : セラマージュとエステニアC&Bの2種類の硬質レジンを用いた. 各々の硬質レジンを重合条件を変えることにより4種の異なった実験的被験試料を作製した. 重合条件は, 光重合だけと光重合の後に加熱重合するものである. 実験的被験試料の破壊靭性値 (KIc) を3試験法により測定した. 靭性評価は分散分析とTukeyの多重比較で行なった. 試験法間の関係は, 単回帰分析により検討した.
結果 : 荷重-変位曲線とSEMによる破断面観察により平面ひずみ線形破壊現象が示された. 3試験法によるKIcには, 有意差が認められた (p<0.01). SENBは被験試料を有意に4種に, IFは2種に, NTPは3種に分類した. SENBとNTPの破壊靭性評価は同様の傾向を示した. SENBとNTP間に, KIc(NTP)=0.82×KIc(SENB)+1.05の単回帰式が有意 (R2=99.7%) に適合した. IFとの相関性は認められなかった.
結論 : 硬質レジンは, 組成と重合条件の違いにより異なる破壊靭性を示す. 靭性評価は, 破壊靭性試験法により違いがある. SENBとNTPには, 高い相関性が認められる.

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© 2008 社団法人日本補綴歯科学会
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