日本補綴歯科学会雑誌
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有床義歯補綴治療における顎堤形態と顎堤粘膜の診断
長岡 英一
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46 巻 (2002) 1 号 p. 12-27

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抄録

目的: 有床義歯補綴治療における顎堤形態と顎堤粘膜の診断に関して, 著者らの研究成果を踏まえて, 診査と診査結果に基づく治療方針の重要性を論じる.
研究の選択: 顎堤の形態と粘膜性状は, 骨吸収の影響を受け, 義歯の安定性と互いに影響を及ぼし合っている. 義歯の安定性の要因として, 頬舌的な顎堤形態と上下の対向関係, 顎堤の前後的傾斜および粘膜性状が重要である. 顎堤については咬合圧負担域を垂直圧負担域と水平圧負担域に分類することを提案したが, 顎堤形態の診査法として垂直圧負担域とその頬舌的中央を人工歯の排列位置との関係で分析する方法ならびに顎堤の前後的傾斜を分析する方法が必要である. 顎堤粘膜の診査法として, 粘膜の硬さ (弾性率) などの性状を計測する装置や粘膜の健康状態を診断する装置が必要である.
結果: 顎堤形態と粘膜性状の診査結果は, それぞれ人工歯排列法と粘膜の処置法の決定や粘膜疾患の病状把握に有用であるが, 粘膜については歯の動揺度と同じ指標を用いた診査法などの開発の必要性が示された.
結論: 顎堤の形態ならびに粘膜は, 適切な方法による診査結果に基づいた診断 (治療方針の決定) が可能であり, その結果として顎堤の保護 (骨吸収と粘膜疾患の防止) と義歯の安定を得ることが可能である.

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