46 巻 (2002) 5 号 p. 685-692
目的: 歯科用CAD/CAMシステムを用いて, 反対側同名臼歯歯冠形態の反転データをクラウンの形態設計に利用する場合を想定し, 反対側同名臼歯の歯冠形態が, どの程度の割合で有効に利用できるか (反対側有効率) について調査し, 統計学的検討を行った.
方法: 567名の患者の計1, 363本の臼歯の反対側同名臼歯歯冠形態の状態について, カルテ, X線写真, 模型, 技工依頼書をもとに, 反転データとして利用可能であるかについて判定した. そして, さらに調査結果を対象歯の部位により, 統計学的有意差の検定を行った.
結果: 調査対象の1, 363本中, 324本 (有効率23.8%) の反対側同名臼歯の形態が, 反転データとしてクラウンの設計に有効に利用できると判定された. 上顎 (25.2%) と下顎 (22.6%), 左側 (23.2%) と右側 (24.4%) による分類では, 有効と無効の分布に有意差は認められなかった. 小臼歯 (27.5%) と大臼歯 (21.6%) グループ間では, 有効と無効の分布に有意差が認められた.
結論: 反対側同名臼歯歯冠形態の反転データを利用したCAD/CAMクラウンの設計を目的として, 反対側同名臼歯の歯冠部の欠損状態を統計学的に検討したところ, 部位別では, 小臼歯部において反対側同名臼歯歯冠形態の反転データの有効率が高かった.