日本補綴歯科学会雑誌
健常者および顎機能障害者における習慣性咬合位から咬頭嵌合位への下顎変位の比較
朴 康鉐佐藤 正樹川添 堯彬
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47 巻 (2003) 1 号 p. 117-124

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抄録

目的: 本研究の目的は, 健常者および顎機能障害者の習慣性咬合位から咬頭嵌合位への下顎変位を三次元的に解析し, その変位量および変位方向の違いを明らかにすることである.
方法: 被検者として, 健常有歯顎者6名と顎関節部の雑音を有する顎機能障害者6名を選択した. Light clenchingと30% MVC (Maximum voluntary clenching) の咬合力を発揮させて採得した, 2種類のシリコーンバイトを試料として, 非接触形状計測を行った. 頭部X線CTから, 頭蓋顔面骨の三次元構築データを抽出し, その解剖学的標点から, 基準座標を設定した. テフロン球をマーカーとして三次元構築データの位置合わせを行った後に, 上下顎歯列咬合面の位置合わせにより, 習慣性咬合位から咬頭嵌合位への下顎変位を算出した. 下顎変位を表現するパラメータとして, 下顎咬合平面を決定する三角形の重心の変位量および変位方向をMOD (Movement of dentition), 左右側下顎頭最上点の変位量および変位方向をMOC (Movement of condyle) とした.
結果: 健常者に比べて顎機能障害者では, MOD, MOCともに下顎変位量が有意に大きかった. また変位方向については, すべての顎機能障害者において, 下顎歯列部では上方に, 下顎頭部では後方に変位する傾向が認められた.
結論: 習慣性咬合位から咬頭嵌合位への下顎変位が, 顎関節雑音の発症に関連している可能性が示された.

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