目的: 本研究は, 顎関節症を主訴とせず, 歯や歯周組織などの観察を目的に撮影されたパノラマX線像を対象に, 下顎頭骨変化の出現頻度を調査し, 骨変化と年齢, 性別, 欠損型や咬合の支持との関連について検討を加えたものである.
方法: 1999年12月から2000年3月の間に鶴見大学歯学部附属病院で, 各科から依頼され, 画像検査部においてパノラマX線撮影を行った25歳以上の患者, 970名を対象として調査を行った. 下顎頭の骨変化としてErosion, Osteophyte, Deformityを評価し, さらに年齢, 性別, 欠損型, 咬合の支持 (Eichnerの分類に準じた分類) について検討を加えた.
結果: 調査対象970名中, 骨変化を認めたものは113名 (11.6%) で, 出現頻度は男性よりも女性に高かった (有意差あり, 女性14.4%, 男性7.8%).女性では, 骨変化の出現頻度は各年代ともに大きな差はなく, 年齢, 欠損型, 咬合の支持では有意差は認められなかった. 男性では咬合の支持の減少と65歳以上の年齢で骨変化の出現頻度が高くなる傾向にあった. 骨変化所見はDeformityが最も多く, Deformity, Erosionは若い層に, Osteophyteは高齢者層に多かった.
結論: 顎関節症を主訴としない患者の11.6%に下顎頭の骨変化が認められ, 出現頻度は性別によって大きく異なることが判明した.