日本補綴歯科学会雑誌
Online ISSN : 1883-177X
Print ISSN : 0389-5386
歯周炎と組織再生
山崎 和久
著者情報
ジャーナル フリー

49 巻 (2005) 4 号 p. 587-592

詳細
PDFをダウンロード (5037K) 発行機関連絡先
抄録

歯周炎は歯周病原細菌感染によって発症し, 歯根膜組織やセメント質の破壊と歯槽骨の吸収を引き起こす. その結果, 適切な処置がなされない場合には多数の歯を失い, それに伴う審美的, 機能的障害はQOLを大きく損なうことになる. 歯周組織再生療法の歴史は長く, GTR法に代表される歯周組織再生療法は一定の効果を上げてきたものの, 再生量が限定的である, 術式が困難である, 適応症が限られる, 予知性が低い, などの問題が指摘されてきた. 創傷の自然治癒過程を組織再生に応用するティツシュエンジニアリングの概念に基づいた治療法の開発が進められている. これは組織幹細胞, 細胞成長 (増殖) 因子, それらが効果的に働くための足場 (Scaffold), の3つを効果的に組み合わせて組織再生を誘導しようとする方法である. 幹細胞の応用に関する研究ははじまったばかりであるが, 塩基性線維芽細胞増殖因子に代表される増殖因子の応用が効果的であることが明らかにされつつある. 生体親和性に優れ, 適切な期間生体内で機能するようなScaffoldの開発も進んでいる. しかしながら組織再生を制御するメカニズムは複雑であり, 3つの要素以外にも老化など, 再生を抑制していると考えられる重要な現象がある. これらを解明することでより完全なかたちでの再生が可能になるかもしれない.

著者関連情報
© 社団法人日本補綴歯科学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top