日本補綴歯科学会雑誌
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義歯受容に関する行動科学的研究
第1報言語データの質的解析とコーディングの妥当性
菅野 京子河相 安彦小林 喜平
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2006 年 50 巻 1 号 p. 64-72

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抄録
目的: 歯列欠損者への義歯に関する個別インタビューから得られた質的データの収集および分析を行い, 患者の言葉を基本とした質問票のための質問項目の抽出を目的とした.
方法: 日本大学松戸歯学部附属歯科病院に来院した患者のなかから, 総義歯装着者20名, 部分床義歯装着者20名, 義歯装着未経験無歯顎者3名を対象に, Triandis theoryに基づき設定した10の質問項目を用い, 開かれた質問にて回答を求めた. 記録した会話内容を文字化, フラグメント化およびエディティングをした後に, コーディングを行った. さらに, コーディングされた項目をTriandis theoryを構成する意志 (以下, 1), 社会因子 (以下, SF), 情動因子 (以下, A) および帰結因子 (以下, PC) に類型し質問票の項目として抽出した.
結果: 会話内容の文字化, フラグメント化およびエディティングの結果, 722の言語が集積された. コーディングの結果, 72コードに集約され, I: 12項目, SF: 9項目, A: 9項目, PC: 42項目に類型された.
結論: 72コードは歯列欠損者の言語データの集約であり, またSF, AおよびPCを含有していることから義歯の受容 (1) を検討する質問票の項目として構成的に妥当であることが示唆された. 今後, 得られた質問票を用いた大規模調査を行い, 義歯受容に関する行動科学的分析を加えることが必須であると考えられる.
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