2021 年 40 巻 2 号 p. 64-68
目的と方法:1)ポケットフェイスマスク(ポケットマスク)を用いて100%酸素を送気しながら人工呼吸を行い,酸素濃度検知器により,マネキンのビニール肺中の酸素濃度の推移を測定し,バッグバルブマスク(BVM)で人工呼吸した場合と比較した。2)ポケットマスクにより人工呼吸を行い,口腔内常在菌の肺への移行率を測定した。結果:1)送気後180秒で酸素濃度の平均値はポケットマスクで70.3%,BVMは97.5%であった。2)被検者口腔内からの常在菌は検出されたが,マネキンの肺から菌は検出されなかった。結論:ポケットマスクを用いて100%酸素の送気により肺内の酸素濃度は高値を示し,フィルターにより口腔内常在菌の肺への侵入を遮断できた。