目的:本研究は咳嗽時に発生する飛沫を調べる基礎研究として,胸骨圧迫を大きく超える胸腔内圧変化を生ずる咳嗽時のエアロゾル発生を可視化し,改良型ポケットマスクを用いて,咳嗽に伴う飛沫量に対する効果を検討することを目的とした。方法:被験者(大学生10名)が発する咳嗽の飛沫量の比較を3種のマスク条件で比較検討した。結果:通常のポケットマスクの使用に加え,頭部を覆うビニールカバーおよびHEPAフィルターを取り付けることで傷病者からの飛沫を抑えられることが示唆された(p<0.01)。結論:ポケットマスクを使用することで飛沫感染リスクを軽減できる可能性がある。