2025 年 44 巻 1 号 p. 1-6
ショック傷病者に対する病院前輸液の有用性は明確になっていない。我々は以前,外因傷病者に対する病院前静脈路確保は現場滞在時間を延長させないと報告した。今回,内因傷病者に対する病院前輸液の有用性を明らかにするため,神戸市消防局データベースから,内因性ショック傷病者を対象とし,搬送前後のショックインデックス(SI)を輸液群と非輸液群で比較した。SIを1未満,1以上1.5未満,1.5以上2未満,2以上に分類し,初回SI 1.5未満の傷病者において,輸液群は非輸液群と比較してSI維持率が有意に高かった。内因性ショック傷病者に対する病院前静脈路確保は,病院到着までのショック進行を低減すると考えられた。