2025 年 44 巻 1 号 p. 18-21
90代男性が肝切除術後に乳酸アシドーシスを発症した。残肝血流は良好であったにもかかわらず,ICU入室後も乳酸値は上昇し最大17mmol/Lまで上昇した。しかし臨床症状には乏しく支持療法で改善が得られ,翌日一般病棟に帰室した。手術前日まで内服していたイメグリミンは乳酸アシドーシスを引き起こしにくいとされているものの,ビグアナイド薬と部分的に同様の乳酸代謝抑制作用がある。ビグアナイド薬による乳酸アシドーシスの危険因子のうち,高齢・脱水・周術期の使用など本症例では多くの危険因子を有しており,その影響で乳酸アシドーシスが惹起された可能性が示唆された。