蘇生
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心肺停止蘇生後に発生した右心房内血栓症の1例
高橋 毅原口 知子末藤 久和宮尾 雄治藤本 和輝宮城 宏生宮崎 久義佐藤 宏之
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2000 年 19 巻 2 号 p. 156-159

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抄録

57歳男性が作業中に心肺停止を来したが, 搬送中の救急車内での救急救命士による3回の直流通電除細動の後, 心拍は再開した。患者は本院到着後意識は清明となった。心臓超音波検査では著明な左室肥大と右房内腫瘤を認め, 経食道超音波検査で右心房より右心室内へ漂う, 柔らかな腫瘤が確認された。冠動脈造影で左冠動脈前下行枝は起始部で閉塞しており, 右冠動脈より側副血行を受けていた。2週間後の経食道超音波検査では腫瘤は消失しており, その間, 肺塞栓などの合併症は認めなかった。従って腫瘤は血栓であったと考えられた。左室肥大と心筋虚血により, 心室細動が誘発され, 心拍再開までの間に右房内血栓が形成されたものと思われた。患者は現在完全に社会復帰している。

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