蘇生
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偶発性低体温症の臨床経験
水野 樹高崎 正人西山 友貴花岡 一雄
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2003 年 22 巻 1 号 p. 31-35

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抄録

二次的に偶発性低体温症をきたした4症例を経験し, 患者背景と転帰を検討した。全症例が高齢者 (66~82歳) で冬季に, 3症例が屋内で1症例が屋外で発見された。原因として, 胃潰瘍穿孔後腹膜炎, 脊髄小脳変性症, 飲酒酩酊による転倒後大腿骨頚部骨折, 脳出血が考えられた。心電図上, Osborn波を2症例で認めた。高CK血症を3症例, 腎障害を2症例, 高アミラーゼ血症を3症例, 代謝性アシドーシスを2症例に認め, 持続的血液濾過透析 (CHDF) を2症例に施行した。全症例に体表加温法と保温輸液による体腔内加温法を施行した。死亡は2症例であった。屋内発見の高齢者偶発性低体温症は致死的となりうる。適切な加温方法と早期の基礎疾患の検索と処置が必要である。

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