蘇生
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植え込み型除細動器 (ICD) 装着患者の緊急開腹術の麻酔経験
内海 潤
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2003 年 22 巻 2 号 p. 119-121

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抄録

難治性頻脈性不整脈に対する救命手段として.植え込み型除細動器 (ICD) が普及しつつある。ICDは電子機器であり, 周術期には電磁干渉による誤作動を防ぐため作動停止 (オフ) 状態にするように推奨されているが, 緊急時にはメーカーからのサポートが間に合わないこともありうる。今回われわれは, 69歳, 男性のイレウスに対する緊急開腹術をICDをオフにしないまま行った症例の麻酔を経験した。電気メスは双極型 (バイポーラ) のみを, できるだけ短時間の使用に制限した。体外除細動器を準備のうえ, 頻脈を避けることに留意して麻酔管理を行った。挿管時のスキサメトニウムによる線維束性攣縮も腹部でのバイポーラ使用も, ICDの誤作動を誘発しなかった。

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