日本鼻科学会会誌
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原著
後鼻漏症状に関する診療についてのアンケート調査
中下 陽介福入 隆史野田 礼彰宮原 伸之石野 岳志竹野 幸夫平川 勝洋
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2011 年 50 巻 2 号 p. 113-119

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抄録

後鼻漏とは鼻腔後部に何かがあると感じ, これが繰り返しの嚥下など意図的な排除運動で除去できない状態をいう。わが国では後鼻漏の原因のほとんどが副鼻腔炎であると考えられており, それらに関する報告は多くみられる。一方でアレルギー性鼻炎など副鼻腔炎以外の疾患に伴う後鼻漏に関しての詳細な臨床調査は行われていないのが現状である。そこで今回われわれは後鼻漏のアンケート調査を行い, 後鼻漏の臨床的特徴について検討した。
調査対象施設における調査年 (平成20年) 1年間の平均外来患者数は月に868.8人であり, そのうち139.0人 (16.0%) に後鼻漏症状がみられた。
後鼻漏の原因疾患の割合は慢性副鼻腔炎が最も多く45%, 次いでアレルギー性鼻炎が多く23%の順であった。
結果, 今後調査結果を実地臨床の参考にし, 難渋する後鼻漏の診断や治療に適切に対処することが重要であると考えられた。

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