日本鼻科学会会誌
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原著
重症遺伝性出血性末梢血管拡張症の鼻出血に対する放射線外照射治療有効例
青石 邦秀岡田 昌浩高橋 宏尚能田 淳平西田 直哉暁 清文
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2013 年 52 巻 4 号 p. 489-493

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抄録

遺伝性出血性末梢血管拡張症(Hereditary Hemorrhagic Telangiectasia, HHT)は,全身の粘膜,皮膚,内臓,中枢神経などの血管奇形病態を呈する疾患である。HHTは反復性の重篤な鼻出血をきたす。
鼻出血の程度は様々であるが,頻回の治療にも関わらず止血が困難であり,鼻出血を繰り返す症例も少なくない。今回,我々は,HHTの鼻出血に対し,放射線外照射が有効であった一例を経験したので,報告する。
症例は81歳男性で,幼少のころから長期にわたり鼻出血を繰り返しており,当院受診以前にも,アルゴンプラズマ凝固装置による焼灼術を受けるなど,鼻出血に対して頻回の治療を施行されたが,止血が困難であった症例である。我々は本症例に対して,放射線外照射による加療を行うこととした。放射線外照射は1回2Gy,1週間に5日,5週間で計50Gyを途中中断することなく継続した。最終照射の2週間後には,鼻内のタンポンガーゼをフリーにしても鼻出血は起こらず,鼻粘膜の異常血管も消失していた。照射終了8カ月後の現在も鼻出血は見られていない。重篤な鼻出血をきたすHTTの症例に対して,放射線外照射は有効な治療法と思われた。

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